2023.08.11ほめることについてPart.Ⅱ -あなたは誰かのHERO-
こんにちは✨KIDS SPACE HEROです🍀
施設を立ち上げる前、自分はどんな施設をつくろうとしているのかを考えていた時に、どうしても心から離れなかったもの。
それは、障がいのあるお子さんが、集団生活の中でどうも自分は周りのみんなと同じようにはできないと気づく時、どんな思いがするかということ、自閉症のお子さんは、周囲からの色々な働きかけになんとか応えようとするのだけれど、どうもそれは周りの期待する答えではないという時、どんな思いがするかということでした。
それでも自分自身を愛せるように育ってほしいと、そんな風に育っていける施設を、私はつくりたいと思ったのでした。
施設名を決める時には、「重度の障がいのあるお子さんであっても、誰かにとってのHEROになり得ると、お前は言えるのか」と、自分自身に向かって問いかける声が聞こえてきましたが、重度の障がいがあっても、お母さんに肌のぬくもりを伝えることができる。その時の状況によっては、お母さんはとても心強く感じ、その子はお母さんにとってのHEROと言えるのではないか、と結論を出し、施設名をHEROに決めたのでした。
その考えは、個人の持つ“能力”に目を向けるのではなく、“存在”に目を向ける心理学者フランクルの影響を受けたものでした。
結局ほめることは、“どのような人間に育ってもらいたいのか”と教育のゴールを見据え、そのゴールに向かう手段の一つとしてあるように思います。
そのゴールの一つには、褒められようとけなされようと、「私は私だ」と思えるということがあるのではないでしょうか。
なぜなら、それが自分自身を生きることでもありますし、教育の目的は自立を促すことにあるからです。
そのことを哲学者のエーリッヒ・フロムはこんな風に語っています。
「自分のなかに自己がしっかりあるという確信を失うと、『私は私だ』という確信が揺らいでしまい、他人に頼ることになる。そうなると、『私は私だ』という確信が得られるかどうかは、その他人にほめられるかどうかに左右されることになる」
私自身も、とても自己肯定感が低いままに、モラトリアムの時代を過ごしましたが、そんな中でただ一人、私という存在を丸ごと受け止めてくれた人がいました。
その時、私はもう28歳になっていました。
本当は、私たちは褒められること以前に、誰かからこんな風に言ってもらうことを待ち望んでいるのではないでしょうか。
「あなたはそのままで、この世界にいていいんだよ」
と。
子どもたちが生きていくこれからの時代が、生きやすい世の中になることを願っています。
担当*中馬