2023.08.04ほめることについて
こんにちは★ KIDS SPACE HEROです🌈
療育の世界では、“褒めること”が盛んに推奨されていますが、それはABA(応用行動分析学)の知見が広く知れ渡った影響からでしょうか。ABAでは、適切な行動を増やすために、「褒める」という手段を取ることがあります。
一方で、『嫌われる勇気』で一躍有名になった心理学者のアドラーは、賞罰教育を否定し、褒めることも叱ることも良しとしませんでした。アドラーの主張の一つとしては、「褒めてくれる人がいなければ、適切な行動をしない」「罰する人がいなければ、不適切な行動もとる」といった誤ったライフスタイルが生まれる、というものがあります。
一体、褒めることをどのように捉えればよいのか、これはなかなか答えの出ない問題かもしれません…
褒めることは、支援者の持つ価値観にも左右されるものかもしれません。
私たちは、支援内容の理由付けとして、“子どもたちが将来、困らないように”という理屈を持ち出しますが、それは“生きる楽しさのために”と言い換えることも可能です。
例えば、「ボタンを留められるようになる」という支援目標を立てた場合、ボタンを留められることは、“ファッションを楽しむ”ことに繋がります。
その視点に立つ時、ボタンを留められたことを「ほめる」というより、「できたことを一緒に喜ぶ」ということにならないでしょうか。
そもそも褒めることは、コミュニケーション。
コミュニケーションは人と人との間にあるものであるから、褒めるにしても、“相手に合わせて”ということが何より大切かもしれません。
本人が簡単にできてしまうことを褒めてしまえば、「本当はもっとできるのに…」という思いを抱えてしまったり、中には褒められることで「バカにされた!」と感じる子もいるかもしれません。それぞれの発達段階を把握することは重要ですが、それは褒める上でも大切なことなのだと考えさせられます。
『褒めることで自己肯定感が高まる』と言うのですが、ある程度の年齢になったお子さんに対しては、単に褒めれば良いというものでもなく、“本人の持つ自己イメージが良くなるような褒め方はないか”と考えていく必要性を感じています。
例えば、本人の良かった点を第三者に伝えながら褒める、人前で発表するなどして集団の中で認められる機会を作る、といった工夫はどうでしょうか。
また、人間関係の中での自分の姿を良いものと捉えるためには、ソーシャルスキルや感情コントロールの獲得が必要と思われます。
褒めることがコミュニケーションであるなら、褒める言葉そのものよりも非言語コミュニケーションの方が重要かもしれません。表情、仕草、声のトーン、間、まなざし…
支援者が本当の気持ちで子どもたちと向き合おうとする時、支援者のまなざしが変わり、そのまなざしが子どもたちに伝わっていくことを実感しています。
また次回、続きを書きたいと思います😊
担当*中馬